初心にかえって・・・なぜ精神科医に?

私の学生時代はまだ一部「結婚するなら○○科には来るな、来るなら覚悟を持ってこい」という風潮が残っていました。今ならかなり問題になりますが、そういう時代でした。女性には子育ての可能性があり職場を離れること、単純に体力面で男性に勝てないことが現実にあるからですが、忙しい職場の状況を考えると「働き方改革」が進んでいる今とは違い、当時は仕方がなかったと思います。

 

研修でいろいろな科をまわり、それぞれ魅力があるため進路には悩みました。

眼科、内科、外科、精神科・・・いわゆるメジャーどころ、マイナーどころいろいろです。

若い故、肉体的にきつい現場もありましたがあまり気にせず、「やりがい」「先輩医師の頑張っている背中」「相性」「科の雰囲気」で悩みました。

 

結果、精神疾患に興味があったこと、他科と違い病気自体がわかりにくく、病気の方自身も苦しんでおられますが、その家族もどうしたらいいのか「どういう病気なのか」「どう接したらいいのか」など悩んでいることから、病気の治療はもちろん、「病気がわからない」と困っている、中には恐怖を感じている家族に理解のお手伝いをしたいと感じたからです。

「患者様の病気の治療」「家族の理解と安心、関わり方」

病気とその周辺までよくしたいという結構欲張りな動機だったと思います。

あと、頼れる同期に恵まれたことも大きいのですが・・・

 

ただ、現実は診療時間には制限があり、十分に果たせているかと考えると謝るばかりです。

開業以来、家族同伴で来られた場合に患者様の同意があれば、診察室に同席していただき、診察、治療をすすめ、家族の評価や質問も受けるようにしています。

 

自身、いろいろな意味で人生辛いことが多かったと思っています。

ですが、恵まれたこと、助けられたこともまた多いと感じております。

 

「常に感謝!」です。