初心にかえって・・・なぜ医学部に?

診療の終わりに、「なぜ医学部を選んだのですか?」「なぜ、精神科医になろうと思ったのですか?」ととある患者様にたずねられました。もちろん、勤務医時代にも何度かありましたが、久しぶりの質問でした。ちょうど子供さんのお受験があり、素朴に聞かれたようです。

久しぶりでしたので、「う~ん」と考えました。数十年振り返り、ぽつぽつと記憶を探りながら、お答えしました。

 

・専業主婦の母が、「女の子は免許が大事、免許、免許」と育てたこと

・まわりの友人に流されて、準備不足で中学受験したこと(もちろん落ちました)

・地元の公立中学に入学しましたが、中学受験失敗が悔しくて、学校の授業を中心に真剣に勉学に励んだこと(日曜日のみ朝から晩まで塾でした)

・高校受験は見事リベンジをはたし、女子高に(入学時宣誓をしていたようなので)上位で入学したこと

・高校時代は女子高の雰囲気や宗教色になじめず、反発し、もちろん勉学もせず、登校拒否気味で最下位での卒業となりました。当然現役大学受験は滑り止めまで見事にすべて不合格でした。受験日前の3か月は特にひどかったと思います。

・一浪で、「さすがにこれじゃだめだ」と予備校に通い、それなりの勉強生活送り、それなりの成績になりました。「免許~」が頭にあったので、薬学部中心に、医学部は1校だけ受験。動物好きなので当時の夢は獣医学部でしたが、センター試験でまさかの大失敗し、私学の中からの選択となりました。この時はすべて合格し・・・医学部も合格。

 

志望校が全敗だった現役と、全勝だった一浪・・・あまりのギャップに当時は笑えました。

「犬、猫は助けられないけど、人助けはできる」と医学部入学し今に至っています。

 

当時一番学費が安いといわれても、私学の医学部。経済不況の中、進学させてくれた両親、「親族から医師が生まれた」と喜んでいた今は亡き祖母にも感謝しております(私の親族に医師はいなかったので)